コールマンのファイヤーグリルは焚き火を愉しむための焚き火台だったという話
コールマンのファイヤーグリルを購入しました。
あらゆるムダを削り落とし、極度に簡素化したデザインが特徴の超シンプルな焚き火台ですが、あまりに特徴的なので購入をためらわれる方も多いのではないでしょうか?
コールマンのファイヤーグリル
コールマンのファイヤーグリルは独特のオーバルデザインの超シンプルな焚き火台です。
主要スペックは下記のとおりです。
[本体サイズ]
使用時: 直径約45×高さ23cm
収納時: 直径約46×高さ8.5cm
重量: 約1.6kg
材質: ステンレス
耐荷重: 約30kg
…ユニフレームの焚き火台は2.4kgだったりしますから、耐荷重の割には割と軽量な印象ですね。
ファイヤーグリルの魅力
魅力1:超シンプルなデザインと構造
コールマンのファイヤーグリルの魅力の全てがこのデザインに凝縮されています。
壊れにくい
まず、極めて単純な構造により部品点数が極端に少なく、無用な変形や破損を防いでくれます。本体のオーバル部分は強固なステンレス製で、厚さもあり十分に強度があります。
耐荷重はダッチオーブンでもびくともしない30kg。
実際に使用してみましたが、熱変形も全く生じず、単純=強い!の代名詞のような商品です( ^ω^ )
チビだけで組み立て可能
組み立ても超簡単…と言うか、そもそも「組み立て」とは言わないですね(^_^;)
足を3本開くだけの超簡単設計なので、我が家のチビ達だけでも説明なしで勝手に準備することができます。
洗うのも一瞬
コーナーや入り組んだ隅や角が無いので、使用後は水でさっと流せばキレイになってしまいます。
人気のユニフレームなどと比較しても準備+撤収の簡易さは明らかです。
魅力2:付属品も十分
付属品には専用のケースと金網があります。
本当はダッチオーブン用の五徳があると最高なのでしょうけど、後述するように私自身はこの商品では料理の能力を求めていないので気にしていません。
仮に料理をする場合は、トライポッドとか三脚を組んでダッチオーブンを「吊り下げる」スタイルが見た目的にもお勧めですね。。。
やったこと無いけど。
魅力3:大きさも適度
今回我が家が購入したのはスタンダードサイズの45cmの商品です。
45cmというのは、主役のオーバル部分の直径です。
試しに一般的な薪をくべてみるとこんな感じで、ちょうど良い大きさです。
この商品には同じデザインでさらに大きな60cmの商品もあるようですが、バランス的には特殊な用途でない限りは45cmがベストサイズかと思います。
魅力4:焚き火全体を眺められる
「お皿」の部分は比較的浅めで、全体の高さも控えめなので、単純なデザインも相まって地面に直火で焚き火しているかのような錯覚に陥ります( ^ω^ )
ユニフレームなどの「横壁」のある焚き火台には薪がこぼれない安心感や(後述しますが)料理のしやすさはありますが、「横壁」部分に隠れて薪が上からしか見えません。
この焚き火台は薪全体と炎が見れるので、純粋に焚き火そのものを楽しむことができます。
ファイヤーグリルの欠点
さて、長所以上に重要な欠点、気になる点です。
欠点1:料理には不向き
何度か述べさせていただいたように「横壁」が無く「お皿」の部分が浅めなので、せっかく付属されている金網を乗せても金網が薪や炭に触れてしまいます。
仮に薪や炭と金網が触れなかったとしても、薪や炭が近すぎて食材が焦げてしまいます。
先輩キャンパーの皆さんは金属ペグなどを利用して器用に嵩上げしたりして見えるかたもいるようですが、そこまでするなら…以下略*1。
付属の金網、料理の機能は予備程度に考えた方がよい気がします。。
料理にも活用したい場合、無難にユニフレームのような横壁のある焚き火台の方が良いかと思います。
ちなみに我が家はSOTOの「デュアルグリル」を使用しています。
好き嫌いがはっきりと分かれるコンロですが、超オススメです(*^_^*)
欠点2:焚き火中の位置替えが難しい
ユニフレームのようなスクエアな焚き火台は、四隅に長い脚があります。
焚き火中にちょっとだけ場所を変えたいときには(2人がかりにはなりますが)この脚を持てば火傷の心配なく移動できます。
これに対しコールマンのファイヤーグリルは脚が短く、その脚がオーバルの皿の真ん中の方に寄っているので非常に持ち辛く、加えてその脚も3本しかなく湾曲して……要は、脚を持っての持ち運びは現実的に不可能です。
私は火バサミ2本でオーバルの皿を挟んでグイッと持ち上げて動かしています。
幸いこのオーバル部分が非常に頑丈なので、多少多めに薪が乗っていてもビクともせずに持ち運びできるのはさすがですね(* ̄∇ ̄*)
ただ、この方法は少し「コツ」が必要ですし、火ばさみも2本必要です。
短時間なら軍手(綿)でも行けますけどね~。火ばさみよりも折り畳みのペンチ等の方が一番安全かもしれませんね。
欠点3:灰が溜まる
あまりに単純な構造のため、灰受けやロストルがありません。
燃やした後の灰はそのまま溜まってしまいます。
上質の火床と思えば良いのですが、時々上手にかき混ぜたり空気が入るように整えてあげないと火が消えてしまうかもしれません。
掟破りの裏技
敢えてメリットにはしませんでしたが…この焚き火台、全体が浅いから、ウチワで元気に扇ぐと…灰が飛んでいってしまうんですよね…。。。
ある意味、一番灰の処理が楽かも。。。
欠点4:煙突効果は期待できない
灰受けと同様、空気孔なども皆無です。
最近の焚き火台やバーベキューコンロではメジャーになった、上昇気流を利用して下部から空気の吸引する煙突効果…などと言うオシャレな技術は一切ありません。
特に焚き火のスタート時、火が元気になるまでちょっと苦労するかもしれませんね。
まとめ
いろいろ勝手に評価していますが、独特のデザインは人とは違った所有欲を満たしてくれますし、焚き火前後の手間暇を考えてもとても良い焚き火台だと思います。
加工精度も非常に高く、不具合も起きようも無いシンプルさなので安心して長期使用できると思います。
ただ、あまりにシンプルな構造故に付加価値は少なく、料理などにはちょっと不向きにも感じます。
ファイヤーグリルが向いている人
- 純粋に焚き火を楽しみたい人
- バーベキューや料理は別の道具で良い人
- 焚き火の準備+片付けを最小限にしたい人
- 雰囲気を大事にしたい人
ファイヤーグリルが向かない人
- 焚き火台でバーベキューや料理をしたい人
…一番の決め手は料理に使いたいかどうかでしょうかね。
我が家ではバーベキュー用に別にSOTOのST-930デュアルグリルを持っているので、この点がクリアされているので余計に高評価なのかもしれませんね(* ̄∇ ̄*)
言い換えれば、バーベキュー用のコンロを別に持っているなら文句なく買い、無いなら一旦再検討!…だと思います。
*1:+_+