防水スプレーでインクジェットを”防水化”できます!
登山に必要な紙の地図やガイドブックのコピー、キャンプ飯のレシピ集、参考になるホームページのネタ集など、アウトドアに印刷物を持ち出したいシチュエーションはそれなりにあると思います。
ただ、多くのご家庭で一般的なインクジェット式(染料系)のプリンターは耐水性が低いので、水に濡れると滲んで使い物にならなくなってしまいます。
今回は防水スプレーでインクジェットでの印刷物を雨や水から守る小技をご紹介します。
- アウトドアに印刷物を持ち出す機会はそれなりに多い!(…と思う)
- ご家庭で主流のインクジェットプリンター(染料系)は水に弱い(T_T)!
- 実際に防水スプレーをしてみた
- 結果
- まとめ:「フッ素系の防水スプレー」なら防水効果は高い!
アウトドアに印刷物を持ち出す機会はそれなりに多い!(…と思う)
最近はスマホのGPSアプリや登山アプリが異常な進化を見せているので、紙の地図の出番は減っているかもしれませんが、それでもマジメな登山やハイキングの際には地図があると便利です。。
※本題からズレるので省略しますが、現在地の適正な把握、スマホの電池切れ等への対応、事前準備などなど、紙の地図を持参すべき理由は多々あります。
また、キャンプでもキャンプ飯のレシピや、ガイドブックのコピー、参考になるホームページやブログのコピーなどをちょっと持参したい時も多いと思います。
さて、そのような訳でアウトドアに印刷物を持ち出したいシチュエーションは多々あるかと思いますが、そこには注意すべき点があります。
それは…
ご家庭で主流のインクジェットプリンター(染料系)は水に弱い(T_T)!
…のです (´;ω;`)
せっかく地図を印刷しておいても水が垂れると…
この課題への対策としては…
- 印刷したあとコンビニ等でカラーコピーする
- そもそも染料系ではなく顔料系のプリンタを購入する
- 防水スプレーで”簡易防水”してしまう(=今回の方法)
…の3つが考えられるかと思います。
それぞれのメリット・デメリットを見てみましょう。
対策1 印刷したあとコンビニ等でカラーコピーする
コンビニ(…や職場)のプリンターは基本、インクジェット式ではなくレーザープリンターです。
レーザープリンターは水に強いので、これが一番てっとり早いです。
…が、欠点としては店舗(等)に行く必要があること=ハッキリ言って面倒です。
近所にコンビニ(等)が無いと結構不便ですし、修正や増し刷りしたいときにはまた店に行かなければいけません。
また、微妙にコストもかかります…。
対策2 顔料系のプリンターを購入する
これなら対策1とは異なり家庭で作業を完結できます!
…が、欠点として顔料系は染料系よりインクが割高になりますし、顔料系はどちらかというと書類向きで写真にはやや不向きです。
実際、多くのご家庭では染料系のプリンターを使っていると思うので、プリンターの買い替えが必要なこの方法はちょっと非現実的だと思います。
登山用の地図だけを考えると、等高線とかも鮮明に印刷できるので顔料系のプリンターの導入も「あり」なんですけどね…
対策3 防水スプレーで「簡易防水」してしまう!
ようやく今回の本題です…ε-(´∀`*)
この方法なら対策の1、2と異なり、今ある(であろう)機材を活かしつつ、コストも抑えつつ、ほどほどの成果を得ることができます。
実際に防水スプレーをしてみた
さて、実際の効果をご紹介します。
以下、少々長くなりますが検証していますのでお付き合いください。
まず最初に必要なのが…「印刷物」と「防水スプレー」です(*^_^*)
準備1:印刷物の準備(EPSON EP-879AW)
「印刷物」は我が家のプリンター EPSON「EP-879AW」で印刷します。
2016年頃のモデルで「染料系」のインクを使用しています。
実際に準備したのがこちら。
カシミール3Dという地図ソフト(フリー)で印刷した、国土地理院の地形図(1/25000)となります。
準備2:防水スプレー(シリコン系+フッ素系の2種)
「防水スプレー」は比較検証のため2種類準備しました!
フッ素系とシリコン系です。
防水スプレーには大きくこの2種類があるのですが、結構特性が違います。
ザクッと説明すると…
<フッ素系>
- フッ素が棘のような状態を作って水を弾く
- 通気性は保たれる
- 効果の持続は短め
- 価格は高め
<シリコン系>
- 表面にコーティング皮膜を作り水を弾く
- 生地の通気性や透湿性は無い
- 効果の持続は長め
- 比較的安価
…という感じです。
両者は成分を見れば区別ができます。
ホームセンター等で割安に入手可能なものの多くはシリコン系と考えて良いと思います。
防水スプレーの吹付け
今回、それぞれの効果も比較したかったので便宜的に地図を黒線で分割し、
こんな感じでマスキングをしながら塗っていきました。
写真では分かりにくいですが、防水スプレーを一吹きすると揮発成分で湿ったような色になります。
でも、すぐに乾きますのでそれほど神経質にならずに吹いていけば良いと思います。
そうして出来上がったのがこちら。
左からスプレー無し、シリコン系、フッ素系、となっています。
なお、上半分には裏からもスプレーしてあります。
余談ですが、防水スプレーをしても印刷に影響は無かったのですが、油性マジックで書き込んでおいた黒い仕切り線だけが何故か少し溶けてしまっていました。
検証開始! (水を吹きかける)
さて、ようやく実験です。
霧吹きで水をかけていきます。
プシュプシュしてすぐの状況がこちら。
シリコン系とフッ素系の水の弾き具合に大きな違いは無いように見えますが、よく見るとフッ素系のほうがよく弾いている印象です。
また、理由は分かりませんが、シリコン系は表面のみスプレーした箇所の方がよく弾いています。
フッ素系はそのような違いはなく、どちらもよく弾いています。
ついでに裏面にも水を吹きかけてみました。
こうして裏面で面白いのが、一番左のフッ素系は全く裏移りがありません。
スプレーした撥水成分が裏面まで影響しているように感じます。
シリコン系は、裏面にもスプレーした上段は裏移りがありませんが、裏面にはスプレーしていない下段は溶けたインクが裏移りし始めています。
防水スプレーをしていない箇所は全面で裏移りしてきてしまっています。
この状態で5分ほど置いておくと、少しづつ違いが大きくなってきました。
結果
結果です。
スプレーなし
さすがにかなり滲んでしまっています。
シリコン系
期待していたよりも滲んでしまっています。
裏面にもスプレーした部分も含め、ほとんど効果を感じることができないくらいです。
これは想定外でした。。
フッ素系
これは期待以上でしょう。
紙面はどうしてもデコボコに変化してしまっていますがインクはほとんど溶けていません。十分な実用性を保っています。
まとめ:「フッ素系の防水スプレー」なら防水効果は高い!
落ち着いて比較検証をしたことがなかったので意外な部分もありました。
シリコン系の結果は正直、想定外でしたが、 フッ素系の防水スプレーをした箇所の耐水性は十分な結果が得られました。
使い捨て感覚で持ち歩く地図としては十分な耐水性かと思います。
是非一度お試しいただければ、と思います。
なお、シリコン系の防水スプレーはホームセンター等で比較的容易に入手できますが、フッ素系は入手が難しく価格も高めです。
フッ素系は通販を利用した方が安価に入手できると思います。
今回使用した「フッ素系」の防水スプレーです(フッ素系としては安価ですがこれで十分です(*^^*)!)